スペシャル対談
リエマの完結・Blu-ray発売を記念して、製作者Mh-artworksとルーンによる対談が行われました!その様子をお届けいたします。
ーー「本日はお時間作っていただきありがとうございます。今回はリエマの愛称で親しまれるリエちゃんは魔法少女、を製作しているお二人方へのインタビューです」
Mh(以下M):よろしくお願いします。
ルーン(以下R):お願いします〜。
ーー「早速ですが、どういった経緯から製作が始まったのでしょうか?」
M:「たまには複数人で制作してみようかな」と、なんとなくルーンさんを誘ってみたのが制作のきっかけでしたね。
R:Mhさんとは友人だったのですが、共同で創作をしたことはなくて。また、私自身ほぼ趣味の範囲で創作をすることはあるのですが、こういったプロジェクトに参加するのは初めてで。楽しそう!と思い、二つ返事でOKしました。
M:映画祭帰りの新幹線の中で「やる?」ってルーンさんに連絡した、何も決まってないのに 笑
R:現代ならではですよね。今回の製作の打ち合わせもほぼLINEを通して行なっているんです。
M:貰ったアイデアからお互い絵を描いてバンバン送り付けてました。
R:これ言ってたかなぁ?私、ちょうど出かけ先でそのメッセージを見ることが多くて。夢中で返信して携帯の充電切れになって電源が切れる、を2・3回やってしまったん
です〜 笑
M:そうなの?
R:結構遠いところに言ってたのに連絡手段がなくなって。久しぶりに駅の時刻表を見たりしたんです!いや、私はドジなのでちょくちょくそういうことはやりがちなのですが…Mhさんはあまりしなさそう。
M:アナログ時計苦手。
R:今回の作品も共同創作ならではの、二人の個性がでた作品になっていると思います。
M:どうせやるんだったら今まで私が製作してた作品とは全く違うものを作ろうという話になりました。ルーンさんの女児向けの優しい世界と、私が普段やってたシリアスな部分を混ぜよう、って。そしたら「魔法少女やろう!」ってなって…そんな王道やった事ないので初めは苦労の連続でした。
R:Mhさんの創作を知っている方ならこの作品の異色な感じが伝わると思います。今で
こそ、二人の個性、バランスがちょうど良くなっているのですが、シリアス、ギャグの
バランス…どこまでふざけていいのか、どこまで重くしていいのか…すり合わせが大変
でしたね。
M:で、私がマフィア混ぜようとか言ったんだっけ…。
R:そうだね。で、コンセプトが決まったわけです。マフィア少女と魔法少女をかけようという。
ーー「1話の元が誕生したというわけですね」
M:最初はリエがもっとミステリアスな転校生とかいう設定もありました。
R:やっぱり舞台や人物は固まるまで時間がかかりました。初期案はもっと都会っぽい怪しげな雰囲気だった。でもそれだと、私が出したい雰囲気が出ないなぁと思って、だいぶ口を出した気がします。
M:ケイがまずタバコ吸ってた。これは…危ない薬売ってるお兄さんだよ。
R:リエちゃんも手がつけられないぐらいグレてたね〜。
▲ 初期ビジュアルその1。リエがミステリアス転校生だった頃
初期ビジュアルその2。金髪がリエ、隣のポニテがマキ案 ▶︎
ーー「今と比べると、なんというか尖ってますよね」
M:そこで、このデザインだとちょっとヤクザ寄りだからマフィアっぽくしようと、映画見たり色々研究しました。
R:女児アニメの方も色々見ました!そのお約束(?)に習ってリエ・マキは中学生にして、初期案より天真爛漫な感じに。取材パートの異文化交流感がとっても楽しかったのを覚えてます。
M:メインキャラの名前は初期から変わってないね。
R:確かに。見た目も設定も右往左往してるけど、リエ・マキ・ケイは最初から固定です。
M:ケイはねぇ…本当に偶然の産物です。夏目漱石の「こころ」、カフカの「毒虫」「城」、あとなんだっけ...梶井基次郎の「Kの昇天」って話…匿名の人間がKって名前なのは結構多いんですよ。まだ名前ないから、とりあえず仮名Kにしておこう。
ところでKってなんだろ?「ケイ」で検索したら…
ーー「アーサー王伝説が引っかかったんですね」
M:そうです。なんだ!?ケイ卿って!?
R:その時には1話の脚本は上がっていて。これからの作品の展開をどうしよう…と思っていた時に転がり込んできたモチーフでしたね。その時のメッセージの興奮っぷりが忘れられません、確か深夜だったよね?
M:大抵のことは深夜です。
R:ちょっと待ってくださいね〜(LINEの履歴をみる)。あ、これだ。Mhさんがケイってこういうキャラらしいよって説明した後に……色々盛り上がって。いやぁマフィアで魔法少女でアーサー王伝説ってだいぶノリ過ぎたね、もう寝ようみたいな突然の悟りタイムみたいなので会話が終わってる……。
M:またねぇ、ケイ卿の描写のヒドイ事、カッコ悪いシーンが大半。どうせだったら私達は彼にもう少し良い思いをさせてあげてもいいんじゃないか?とか思い始めました。
R:せっかくモチーフがあるなら活かしたいですからね。ケイが主役の現代版アーサー王伝説…みたいなコンセプトがリエマにはあるかもですね!
M:新しいと思います。その後はさらに研究ですよ、サイトから書籍まで。
R:名作って、今でこそ崇高な文学みたいな扱いを受けてますけど、結構ツッコミどころも多くて。やっぱり昔の人の娯楽だったんだなってわかるんですよ。リエマをきっかけにアーサー王伝説に触れる視聴者も多いと思います。そういった流れは大歓迎です。
ーー「アーサー王伝説をモチーフにしたキャラクターが本編には沢山登場しますが...それぞれ好きなキャラクターはいますか?」
M:やっぱりケイです。愛すべきケイ。
R:結構Mhさんのキャラ推しはわかりやすいんじゃないですか?視聴者にも。演出とか任せてるのもありますけど。
M:そりゃ名前から容姿までこいつは手掛けましたから…!
ーー「どこが特に推せますかね?」
M:ほぼ虚勢なのが。毒舌で強くもないのに先に口出してやられるのは原典通りです。
いろんな作品で結構ヤな奴として描かれてます。
R:12話構成に当たって、毎話登場してるのにかっこいいシーンがほぼなくなってしまって。二人でなんとか見せ場を作りたいと色々話し合いました。まぁダサいのも愛嬌がありますけど。
M:戦闘でカッコイイ部分がほぼない。常に呻いている...5話くらいからリエに「うちが守ってあげる!」とか言われちゃうんですよ。1話だとあんなに強そうなのに!あの見た目で戦闘力が皆無なギャップがいいねって。
R:戦闘力皆無の点は私が手がけているテキスト部分…あらすじとかですね。そこでも大分いじってます。共通認識・公式設定だと印象付けたくて。
M:あれ結構好き。
ーー「スタッフクレジットでは脚本はMhさんになっていますが…あらすじはルーンさんが担当していたんですか?」
R:そうですね。それぞれの話の元となる部分はMhさんが考えてきてくれて、私はそれを…なんていうんでしょう、そう、女児風に加工・整形する作業をしていました。言葉遣い、表現方法などです。
M:例えばね、4話で出てくる女の子、エイルちゃんの説明。ラフの段階で「パパ活女子」って私が書いてたのを、「持ち前の可愛さで多くの男を落としてきた女の子」って直してくれました。
R:「パパ活」っていうのが俗っぽい表現で、伝わりづらいという理由もありますけど。とにかくランス関係は規制が多い!ランスをMhさんはディスりまくっているんですよね…クズ男とか女ったらしとか。それを私が、色男やチャラ男と言い換えました。
M:ランスロットは英雄みたいに描かれるけど、やっぱ人の奥さんを取ったらダメだよ。時代の問題とか色々あるのは分かってますけど、でもなぁ…という第一印象からあんな事に。円卓崩壊するし。
R:わかりやすいディスりですよ。職権乱用じゃないですけど、どんどんランスがかっこ悪い演出になったり、セリフが削られたりする様を見ていた私はなんというか…ランスファンの子たちに申し訳ない思いでしたね…。
M:キライはスキの裏返しですよっ!
R:なんだかんだ好きなのもわかる。Mhさんから送られてくる落書き関係、ランスの絵多いし。
ーー「その落書き、ファンからしたらプレミアですね」
M:わーハズカシイ。
R:世の中に出ることはないですが、お互い好き勝手にラフスケッチをしたりしますよ。それぐらいリエマには愛着が湧いています。ありがたいことです。
M:ラフスケッチからキャラクターが沢山生まれましたね。
ーー「おっ制作秘話!そういうのじゃんじゃん聞かせてください!」
R:メイン以外の円卓のファミリー…HPでは円卓のファミリー2に乗っている方々ですね、結構キャラメイクの過程が面白いです。
ーー「気になりますね、どんな感じだったんでしょうか?」
M:まずはモデルとなっている円卓の騎士たちの有名どころをチョイスして、アニメ化に当たって名前をアレンジして書き出すところから始まりました。
R:その時点では、性格、年齢などは何も決めていなかったので、そこに私がキャラ設定を加えてベースができましたね。
M:そこは完全にルーンさんに任せっきりで。こちらの取材時のメモだとペリノアとか強そうって書いてあったりする。いい意味で、上がってきた設定を読んで印象が変わったキャラクターは多いですね。あと、どうしても円卓の騎士は男性陣ばかりなので、女性として出てくる人を作ろうと思っていたのですが、パロミの女性版を描いていたりしました。
R:結局女性はメイドのペレスとその姉のラモラになりました。ペレスが女性というのは二人の間でも意見が一致して。元のパーシバル、ペレスヴァル卿という名前が可愛いってのと、原典でのセリフが天然っぽくて愛らしいので、これはのほほんとしたおっとりキャラだろうと。紅一点よりは、もう一人ぐらい女性キャラがいてもいいよね、という話になり、そこから兄のラモラック卿も姉にしました。
M:キャラ設定が決まったところで私が描いたデザイン画がこれですね。
▲ Mhさんによるデザイン画。今と印象が異なるキャラクターも
ーー「おお、なんだか…渋いですね笑」
M:マフィアそのもの。
R:この原案だとみんな黒っぽい服を着てそうですよね〜。私としても、リエマはマフィア映画ではなく魔法少女アニメなので、もう少し個性が欲しいなと思って。ここに指示を色々とさせていただきました。
M:ユーウェイが特にわかりやすそう。これが、こうなって、こう!
▼ ルーンさんが提出した指示書
▲ 先ほども紹介した原案
▲ 完成した立ち絵。すっかり陽気なおじさんに
ーー「これは確かに、全然違いますね」
M:ルーンさんの元の指示は、獅子を連れた騎士、から連想して猫などの動物やぬいぐるみを愛でるのが好きなおじさん、だったので初期案ではそんな感じですね。
R:妖精と動物の関わりが難しかったのもありますが、ぬいぐるみに絞ったほうがいいと思って。で、ぬいぐるみならパペットがいいんじゃないかと。楽観的でマイペースなキャラにしたくて、パジャマとジャケットの組み合わせを提案しました。
M:この人だけ場違い感がすごいんですよ。
R:原宿系マフィアです。
ーー「すごいパワーワードだ」
M:このキャラ付けが良かったのか、放送してみると、登場シーンは多くないのにかなり人気が出ましたね。なごみ要員というか、いると画面が楽しくなります。でもシマシマのパジャマは作画が辛い。
ーー「今、視聴者人気という話が出ましたが、ぶっちゃけ人気があるキャラって誰なんでしょう?」
R:主人公のリエちゃんはもちろん人気がありますが、それ以外ですよね。えーっと、やっぱりイケメン組が強い。ランスも人気ありますよ。Mhさんがあんなに下げてるにも関わらず。まぁ私は普通にランス好きなので、彼のBGMは気合い入れて製作しました。自分でもお気に入りです。すごくカッコいい。
M:飄々としてる。
R:夜っぽいんだけど軽快なリズムを心がけました。ランスがやって来たぜ、感。
M:うわー。LANCE IS HERE!
ーー「なんだかMhさんのランスディスりの雰囲気がわかって来ちゃいました…笑」
M:息子は反面教師というか…ガラハド君はそんな事ないんだよね。
R:そこも原典と一緒です。個人的にはランスに対してだけ冷たいのがポイント。貴重な綺麗な美少年枠だから彼も人気ありますよ。後はイケメン枠だとトリスタとか。私も好きです。
ーー「そういえばルーンさんの推しキャラを聞いていませんでしたね!トリスタ推しなんですか?」
R:そうですね。リエマのトリスタだけでなく、原典…「トリスタン物語」などを読んであぁトリスタン好きだなぁってなりました。キャラデザとか口調とかちょっとめんどくさい性格とか愛しいですね。後は女性キャラクターは私が主となってデザインをしているという理由もあって、みんな好きです。
M:トリスタは日本の音楽プロデューサーに擬態してる妖精です。元ネタはトリスタン卿。普段から詩人ぽい口調で喋るけど、銃を乱射してる時はすごい怖くなる。愛用してる銃の事を「彼女」って呼んでます。そういうヤバイとこルーンさんと似てる。
ーー「えっ、どういうことですか?ルーンさんもトリガーハッピーなんですか!?」
R:違います!!えーっと、元から私、物に執着しやすい人でして。物に名前こそつけませんが、人間らしく扱ってしまうんですよ。銃のことを「彼女」って呼ぶトリスタと雰囲気が似てる、そういうことですよね。
M:「愛しの自転車」とか言ってるじゃん。そのうち「此方」(注:トリスタの一人称)とか言い出すぞ。
R:自転車は確かに愛車です。パンクした夜には泣いた。でも流石に此方は言いません!あー、音楽プロデューサーって点も似てるのか。私今回音楽担当してますし。
ーー「製作の話が出ましたね。リエマは秘密結社ツーサム…つまりお二人が製作を行なっているとのことですが、作業分担はどのようになっていますか?」
M:基本HPなどに載せてるスタッフの役割と同じだけど、細かいところをちょっと。
R:まず、元となる世界観は一緒に考えました。それを脚本に仕上げたのはMhさんなんですけど、話のノリとか根本のところは私の趣味が強い。舞台・美術設計はほぼ私です。
具体的に言ってしまえば、リエ達が住んでいる田舎町は私の故郷がモデルです。あー、言いたいこといっぱい…とりあえずMhさんの脚本段階が結構面白いから見て欲しいな。その時点ではねぇ、マフィアなんですよ。そこにタイトルを付けたりしたのは全部私でした。仕上がってみるとすごく女児でしょ?
M:3話を例に出しましょうか。シナリオに仕上げる前に送った私のメモです。
「音楽関係の仕事に就いている男性が、仕事の後タクシーに乗ったら変な場所に連れて行かれる。そこで男は裏路地に追い込まれ、大勢のヤクザから銃を突きつけられる。ヤクザ達は借金取りだった。返済を先延ばしにし、逃れ続けた男には釈明の余地はなく、銃火が闇を照らし、男はヤクザの銃弾を浴びてゴミ袋の山に倒れ臥す。これで仕事は済んだ...と思いきや、男は突然起き上がり、ギターケースからマシンガンを取り出してヤクザ達に報復した。風穴だらけの体で「近頃の殿方は此方の言葉を聞く余裕もないらしい...もう表舞台にはいられないか」と男は言う。跳弾で歪んだスペードのピンが、小雨の降る地面に落ちた」
ーー「見る番組間違えたかな?」
R:ですよね、しかもMhさん、書きたいところだけ書いて送って来てるので、リエパートの話、これ、全くないんですよ〜!!
M:トリスタのイメージをまず伝えたかった。妖精は人間の武器では死なない。こいつモブかな?と思いきや…みたいな。
R:それはもちろんわかるんですが。いやー、まず文体がゴツすぎる。ここからなんとかリエちゃんのパートに繋げようと、東京観光という案を出しました。テレポートのシュールなシーンと合わせて、コメディ回って印象がみなさん強いと思いますし、できるまでわかりません、ほんと。
M:宝石を水の中に溶かして、その中に入るとテレポートする事が可能です。ロマンチックなはずなのにね。ケイも「良かったな、本物の魔法が見られるぞ」って煽ってる。
R:結果ロマンチックとは程遠い水撒きシーンが出来上がりました。そう都合よく水場はないんです。11話はリエ達の町にある大きな池を使ってテレポートするので多少雰囲気出てますが。
M:マフィアシーンとギャグシーンのギャップは1話から大事にしてます。メリハリが大事です。
R:それこそ共同創作の強みを生かしているんですよ。多分私、マフィアパート考えたことないです。マフィアパートに修正を入れる側でした。やりすぎ!とか、血は絶対出すな〜!とか。
ーー「時間帯もありますしね」
M:いっぱい迷惑かけちゃったな、すいませんでした。
R:いや、そちらが意識せずハードボイルドなシーンを書けるように、私が手を入れると自然と女児風に直るんですよ。ファンだった女児アニメを見る側から作る側にシフトできた感じの作業環境だったので、それこそ「女児アニメのお約束」は体に染み付いているんです。
M:ありがたいです。その代わりバトルシーンは好きに暴れました。4話とか。
R:日本刀を振り回すランス、カッコいいよね。
M:片手で持ってるんですよ、そんな軽い武器じゃないでしょ!?って。無双してます。かわいそうだなぁケイ、切り刻まれちゃって。
▲ 4話より。Mhさんは、バトルシーンは特にこだわって描いていると熱く語ってくれた
ーー「ランスは作中屈指の強キャラですよね。ファミリーの強さランキングとかあるんですか?」
R:ケイが最弱なのは間違い無いです。
M:戦闘以外にも強さはあるよ。
R:そこ、テーマなのであれか…また後で説明しよう。
ーー「気になります」
R:ちょっと長くなるので。
M:シリーズの根幹に関わるお話ですから。
ーー「では他の話題にうつりましょう。リエマは登場キャラクターが多いですが、みんな印象に残るというか、特に口調が特徴的ですよね」
R:それは私が担当したところですね!
M:ある日突然キャラクターシートに口調が全て揃っていた…。
R:一人称・口調の特徴って日本語ならではの表現ですから、積極的に使っていきたいんです。私は本を読んだり…後、趣味の範囲を出ないですが少し文章を書いたりします。
その時に、〇〇が言った。という文章がなくても、誰が喋っているのかわかるのって結構大事なんですよ。アニメだから容姿があるので拘らなくてもいいんですが、それでもキャラが多いですからね、せっかくだから非現実的な表現も使っちゃって。
M:パロミの「小生」と「貴公」、どっちも目下に使う表現だったり。7話で「そんな浮かれた君たちに小生から早めのクリスマスプレゼントだ」とか言って、窓から武器持って入ってきたし、こんなサンタ嫌だ。
R:「小生」「貴公」、一応敬語表現なんですよ。癖が強い感じが好きですね。「冗談だ」ってよく言うけど冗談かわからないし。えーっと、パロミデス卿はトリスタン卿と因縁があるので、同じように回りくどいセリフにしたくて。あ、脚本が上がって来た時点で特徴的な口調の人は私がセリフを書いたり、直したりしてます。
M:ベディさんの「かもしれないかもしれないですね」も特徴的。こちらはベディヴィア卿が元ネタです。だいぶ不思議ちゃんに仕上がりましたが。普段はカムロンの庭師です。
R:元ネタでも結構優柔不断ですから。エクスカリバーを湖に返したという行動で有名なので、このファミリーではカリバーンの管理係もしてます。盗まれちゃったけど。
M:2話でランスに問いただされた時も「見てたかもしれないかもしれないです…」って返事がうやむやだから、「どっちなんだよ!?」って怒られる。ベディさん泣き出すと義手がガタガタ鳴るから、また「うるせぇ!」って怒られる。
R:あそこのシーン可愛いです。お気に入り。でもベディさん、可愛いだけじゃないんですよね。6話でちょっと出ますが、乱暴者な一面もあるんです〜。
M:大きな建物を見ると破壊したくなっちゃう。
▲ 6話より。いつもと別人のようなベディの様子に衝撃を受けた視聴者も多かったのではないだろうか
R:巨人退治でも有名ですからね、ベディヴィア卿。6話ではラモラ姉やボールズおじちゃんが抑えてくれましたが、暴走すると誰にも止められない……?
M:本人覚えてないから厄介だよ。
R:二重人格っぽいイメージですね。そこはトリスタのトリガーハッピーと差別化したかったんです。ベディさん、実は…えっと、わかりやすく言えば元ヤン設定なんですよ。
M:見境なく人を殺してきたヤバイ人でした。調子乗ってアーサーに襲いかかって片腕を吹き飛ばされた時に、痛いよりも「アーサーさん、カッケェ!」ってなっちゃった。で、そのまま弟子入りしちゃった。ここではそういう設定です。
ーー「しっかりキャラクターの過去も考えているんですね」
R:そこ大事です。ボールズおじちゃんが関西弁なのも、もともと関西人の少女と契約していたからなんですよ。本編で全く出せなかったのですが…。
ーー「OVAで初めて過去が分かるキャラクターもいますね」
M:ガヴェとか、昔から真面目だったんだーっていう。カウンセラーに擬態してた時代に、不器用な女の子から「私を可愛くして!」って言われる。ちゃんとロマンスしてますね。うっかり魔法少女にしちゃう。
R:可愛くする=魔法少女にするって、ちょっと頭が硬い発想になっちゃうのもガヴェらしい。この話も原典に元ネタがあります(注:「ガヴェインの結婚」)。同じ女性とのロマンスがテーマでありながら、親友であり良きパートナー、ランスとは全く雰囲気が違うのも印象的です。
ーー「ランス……2巻のOVAですね」
M:エレオノールとランスのお話。本編では百戦錬磨の彼が大変な事に。うっかり街中で出会った女性を追いかけるけど…。
R:またギャップの話ですね。大事にしたいです。
M:エレインというランスの魔法少女の名称はここから来ています。エレオノールって、そもそも彼女の偽名なんですけどね。真の名前はグィネヴァ。おや?ってなった人もいるハズ。
R:わかる人にはニヤニヤするだろうポイント。ランスロット卿の不倫相手であるグヴィネヴィア王妃からお名前を頂戴しています。
M:彼の恋路はOVAでぜひご覧下さい。綺麗に破滅します。
R:この話も規制が大変…えーっと、とりあえずネタバレしちゃうと見る楽しみが減るでしょうからこの辺で。個人的にはこの話だけ月9みたいで、もはやマフィアでも魔法少女でもないのがツボです。
M:田舎者ペレスちゃんも可愛いよね。
R:自分のことを妖精だって知らずに暮らしていたファミリーもいるのでは?という発想からこの話に。OVAでのトリスタとカエル君の会話シーンも笑えて好きですね。
M:……神田ブランちゃんのくだりか、トリスタが当時担当してたアイドル兼魔法少女ですね。とにかくカエル君をこき使ってます。ヒドイやつだ。元ネタは「トリスタン物語(トマ版)」に出てくるカエルダンとブランガンです。
R:だから「檀カエル」なんだね。この二人はアーサー王伝説よりは知名度が低いと思ったので、割と直球なネーミングにしました。カエルダンはトリスタンの親友なのでポジションはそのまま。ブランガンは、気が強いところだけ取り入れました。ブランちゃんは人気がある分生意気なんです。まぁ、魔法少女に変身して魔力で美少女補正がかかった状態でステージに立っているから、人気が出るのは当たり前という。
M:それを自分の可愛さに錯覚して、所属していたアイドルグループから独立したいと言い出します。
R:その結果は…OVAで!笑
M:カエル君はトリスタが妖精だって事知ってるんだよね。
R:その理由は本編では明かされてませんでしたが、やっとここでわかります。だいぶトリスタと深い付き合いをしているカエル君。トリスタはあんまり友達がいない(カムロンにも長い間帰っていなくて、本編でも3話で合流した)キャラなので、数少ない友人は大切にするタイプです。
M:まあファミリーに深入りすると殺されてしまう可能性がありますけどね。危ないぞカエル君。
ーー「恐ろしい。そこはマフィアですね」
R:あ、そういえばOVAの脚本は私が主になっているのがほとんどですね。6巻まで合わせて繋がる演出とかも。
ーー「ルーンさんが担当しているならファンシーなんでしょうか」
R:そんなことはないですね〜。
M:むしろ6巻の脚本は…びっくりするくらい重い。
R:基本はハッピーエンドが好きなんですが、最後にハッピーエンドになるなら絶望も厭わないタイプなんです。落とすとこまで落としてやろうと。トリスタとパロミの因縁もOVAで明かされますが、闇が深いですね……。
M:IZO-3こと「彼女」は元々パロミの道具でした。フェルナンデス社のZO-3ギターとあるものを掛けてます。
R:人のものをとったら泥棒なのでダメですよ。ちゃんと理由はあるんですけど。「彼女」と、IZO-3というネーミングでわかる人はわかるかな〜。
ーー「わかったかもしれません」
R:すみません、ネタバレなので、言わないで〜!笑 答え合わせはインタビューが終わった後にしましょう。
ーー「大分情報が集まって来た気がします。では、直接本編と関係ない話というか…制作段階での裏話、苦労したこと等はありますか?」
M:あー、初めはマフィア達は全て英語で喋らせる予定でした、全部1話の感じで。でも予算の都合で3話からみんな日本語になりました。全てリエ視点という事になっています…笑 ちなみに、2話の冒頭でリエの視点ではケイの声が日本語に聞こえるということが分かります。マキがケイに話かけた時は英語で返答されて話が通じないので、あっ、それも魔法なんだ、って。
R:これ英語の意味ないよね、って突っ込まれて。確かに。みたいな。
M:日本語の方が結果よかったな、って感じです。俳優さんの演技って本当にすごい。1話のランスのセリフ「持ってんだろぉ?」がお気に入り。
R:あれほぼ一発どりだったんだよね。凄かったです。私もマキで参加してるんですが、リエの演技を聞いたときに、「あっリエ〜!!」ってなっちゃった。
M:あはは。ガヴェもかっこいいよね、カチッとした感じが出ていて、いい相棒だなぁ。
ーー「まぁ色々ありつつ、今回無事に放送が終了したわけですが、12話の中でお気入りの回はありますか?」
M:私は7話が好きです!ケイが珍しくかっこいい…?
R:お父さん役のケイがみれる回ですね。リエのアパートのリビングで宿題を見てあげているケイのシーンから始まります。リエが勝手にケイを家にあげてる感じですが。
M:何回も手伝って貰ってる感じですよね。私も受験期にケイが家に欲しかったよ、すごいディスられそうだけど。
R:1アドバイス、3皮肉ぐらいの分量ですからね。そもそも英語も自動翻訳?妖精言語を隠すための効果なので、英語を聞いても文法はわからないという仕様。
M:そこにリエのお母さん、篠塚リカが帰ってきてパニックに。タンスにぶち込まれるケイ。リエの様子から察してお母さん一発で隠し場所当てるんだけどね。
R:押し込まれてるケイ、安定のダサさです。そこでは妖精姿になって隙間から逃げて難を逃れます(本編では映ってないけど)。ケイはやられ慣れているので…普通、妖精姿はみんな見せたがらないんですが…妖精姿へのフォルムチェンジを割と頻繁に行っている、という設定がありました。小さいと逃げやすいですし、本来の姿なので傷の治りが早いんです。
M:更にダサい…そこでお母さんは会社に呼び出されて、リエはまたひとりぼっちに。
こんな始まりですが、このお話はお互いの家族がテーマだったりします。
ーー「リエの家庭が訳ありなのは7話までの描写でも察せます。お父さんがいない?」
R:リエが産まれる前に交通事故で亡くなってしまったんですよ。だからリエにはお父さんの思い出がない。お母さんも仕事で忙しくてあまり家にいてくれない…。1話の冒頭は、家に帰っても誰もいなくて寂しいリエが、マキの家に遊びに行っている、というシーンなんですよね〜。
M:やはりマフィアと日本の中学生の出会いもなかなかカオスなんですが、ケイもリエもお互い家族の問題を抱えてますから。家族と一緒にいられないリエと、家族から煙たがられているケイ。家族と家族(ファミリー)なので二つは大きく異なりますが…。
R:ケイ、不器用なんですよね〜。みんなの為を思って家出するんだけど、誰も気にかけないし。気にかけてるのはカリバーンだし。そもそもこの計画を立てたのも、素直に発言しても誰も聞いてくれないからなんです。
M:1巻のOVAでの扱いはヒドイですから。傷口をランスに叩かれる…。
R:タイトルも自分で考えておきながらひどいなぁと思いました。ケイはみんなの雑用係です……話を戻しますと、そんなケイがリエの家族に受け入れてもらえるようになるのがこの7話ですね。
M:パロミとの戦闘を経て、なんだかんだでお母さんに存在を認められるケイ。
ーー「最後のリエママのセリフが印象的です」
R:「あなたが彼に見えたの…どう見ても別物なのにね」というセリフですね。夫の姿をケイに重ねるリカさん。
M:いや別物だよ。
R:そもそも国籍が違う。
M:国籍あんの?
R:カムロンが国籍…?
ーー「それ以降、お母さん公認でケイがリエのアパートに居候することになりますね」
M:サイズがとにかく大きいからケイはリエの家の廊下で寝るんですが、久々に布団の暖かさを感じて毛布被った状態でこっそりシクシク泣いてるシーンがあります。毛布の長さ足りてないし…逃亡辛かったんだな…。
R:逃亡生活中は宿無しのケイ。そこらへんランス・ガヴェ・ペレスは人間として紛れ込んでうまくやってますが、ケイは急いで逃げてきたのでそんな準備できなかった。苦労してバイトで稼ぐ姿がアイキャッチになってます。毎回バイト内容が違うのに気づきましたか?あれ、いろんなバイトをしてるからなんですよね。あそこの絵デフォルメで可愛い。
▲ アイキャッチより数枚。コスプレかと思いきや、まさかのバイト風景だった
M:妖精はご飯食べなくても大丈夫なんですが、リエのご機嫌とりにお菓子買ってたり、3話で財布が空になったり、6話で切符買ったり色々お金には困ってたので。
R:妖精にとってお金はなくても生活できるので、使い方に個性が出ます。ランスは女性へのプレゼントに。ガヴェは仕事で。女性陣はおしゃれに。トリスタは服とか楽器とかに使って一文無しです。3話冒頭、借金取りに追われてますが、お金の使い方下手ですね。親友のカエル君にも迷惑かけてます。
M:話を戻すと…翌日ケイは朝リエにドアをぶつけられて起きるんですが…それからは早起きして主婦並みに家事をしてくれます。お母さん大喜び。
R:見た目とは逆ですよね〜。そもそもファミリーでも雑用をしていたので、家事は得意なケイ。ペレスさんは見た目がメイドなのですが全く家事はできません。あの格好もラモラ姉の趣味です。
M:そういえばペレスさんがドジをして毎回会議シーンが終わるという演出ですよね。掃除用バケツの水ボーマンさんにかけちゃうとか、モップ振り回して知らない間に花瓶破壊してベディさんが暴走しかけるとか。
ーー「ルーンさんのお気に入り回はなんですか?」
R:脚本を分業していて、話によってメインの執筆者が違うので好みが分かれますね、面白いなぁ。やっぱり私は終盤が好きです。10話から12話です、この辺の絶望パートは私が主に担当…あれ、やっぱり私は闇落ち要員なのかな?
M:9話の最後、ケイがリエにカリバーンを託して一人で逃走する場面。「誰にも見せるな、たとえ相手が親友でもだ」っていうセリフの後からのリエの行動だよね。
R:10話で仲が良かった二人が初めて喧嘩をしてしまうんです。それまでにマキが何度もケイに魔法少女にしてほしいと頼んで、断られるというくだりが出て来ますが……その点でマキは不満が溜まっていて、それがここで爆発してしまうという。
M:ケイとしても魔法少女は遊びじゃないんだよね。こっちは命賭けてるんだ、って。
カリバーンは一振りで世界を支配できる魔法の武器です。ただ、妖精が全員揃わなければ力は発動しません。そもそもケイがカムロンから逃亡したのは、人間の奴隷化を推し進めるアーサーを改心させ、ファミリーをかつて人間と協力していた頃に戻すためです。カリバーンが無ければファミリーは目的を遂行できません。自分の武器が弱いので弟の最強武器を盗んできたというのもありますが…最終話のケイのセリフにもそれがよく現れています。「お前らが人間に希望を見出せないのは、お前らが信用を生み出せないからだ!」…実際ケイは弱いから、人間のリエがいないと戦えないし…。
▲ 最終話でのケイ。ボロボロながらも、アーサーに啖呵を切るその目には強い光が宿っている
R:ケイ、リエの考えが一旦乖離する11話もこだわりました。10話でアーサーにつけ込まれてしまったマキはリエのカリバーンを盗んで行ってしまいますが、リエはそれに全く気づかない。アーサーが的確に指示をしているおかげもあるけれど、マキが裏切っているとは思わない。やっぱり、中学生の女の子にとって大切なのは、世界の終焉なんかより一人の親友だと思うんです。
M:ケイとしては取り返しにカムロンに行くのは半殺し確定なので不安でしょうがない。「お前に持たせたのがやっぱ間違いだったか」とリエにきつく当たってしまいます。
ーー「雲行きが怪しくなってきましたね」
R:マキだけでなくケイともギスギスし始めるリエ。マキが人質として捕まっているかもしれない、とリエは思ってカムロンに乗り込みますが、待っていたのはむしろ逆の光景。アーサーの魔法少女マキ。
M:この後の戦闘シーン、マキVSリエ、ケイVSアーサーって対になってるんですよ。お互い「なんで分かってくれないんだ!」って、ケイもアーサーも、いつもより感情的になっています。
R:アーサーは終盤になって初めて正体がわかるキャラですから。ここで二人の兄弟感が伝わるの、いいですよね。できた弟とダメな兄です。
M:最終的にマキが放ったマジカル☆カリバーンがリエに当たりそうになって、ケイがリエを庇います。今まで自分がリエに守られていた事に気が付いて咄嗟に取った行動です。リエと出会う前のケイならこの行動はしないはず…。
R:そこのセリフがカッコいいんですよ。私が設定したケイの口癖は「また」なんです。全編通して少し斜に構えているケイ。いつも、「またこれか、やれやれ」みたいなことを言うんです。でもここでは「"また"助けられるなんて…恥ずかしい…だろ……」って。息も絶え絶えですが。
M:ここ…すごい辛い。
ーー「なんというか、ルーンさんの脚本はいつもそんな感じなんですね」
R:誤解です!ちゃんとマキ、改心しますし…。合体技シーン、要望通りキラキラに仕上げていただいてありがたかったです!
M:前半のシリアスはどこ行ったんだ、っていう明るい顔してます。
R:そのあと出てくるケイの妖精姿も可愛いよね。
M:気が抜けて妖精に戻っちゃうケイ、ピンクのうさぎみたいです。もちぷよですよ。
R:リエの魔法少女イメージに合わせてピンク色なんです。あとケイ=Kay のつづりが鍵=Key に似ているから、形が鍵モチーフになっています。うさぎというよりはモチーフは馬なんですよね、騎士達と関連して。キャラデザはこだわってやらせていただいているので、こういった話をすると話題が尽きないですね……。
M:ガヴェ妖精も可愛い、あのVRゴーグルみたいなやつが、タヌキみたいになっちゃう。目が可愛いよね。
R:元の姿と合わせると一番ギャップがあるかもしれません。ガヴェイン卿は太陽の騎士ですので、丸と羽が太陽モチーフなんです。結果丸っこく可愛く仕上がりました。ガヴェが丸いのでランスは鋭い感じにしてます。
M:ガラハド君とユーウェイにめっちゃオモチャにされてた。パパのメンツ丸つぶれよ。
R:妖精姿は力が出せませんから、なすがままです。人間と協力しないと暮らしていけない、という設定なので、妖精達が摂取しているエネルギーも人間の感情などに関するものです。
M:昔は人間と協力し、正の感情を摂取することで暮らしていたんですよね。ただ色々あって、人間を信用できなくなったから、もういっそのこと人間を奴隷のように操ってしまった方が自分たちや、世界のためになるという風に考え始めてしまった。アーサーの決定で負のエネルギーを利用する形に体制が変わります。
ーー「リエマは対象年齢を低めに設定している作品ながらこういった重めの裏設定が効いていて、幅広い層に支持されているらしいですね」
R:別にこういった裏設定は伝わらなくてもいいんです。作り込みとしてやはり考えておいた方がお話が作りやすいので、という動機でした。そこがウケたのは本当に嬉しいですね。私も幼い頃にみていたアニメや読んでいた児童書を今になって見直すことがよくあります。すると、見えていなかったものが見えてまた楽しめるんです。そういったコンセプトを勝手に考えていました。そういえばMhさんにこの話してなかった 笑
M:いいなー、児童書侮る勿れ。
R:皆さんも児童向けだと思って気後れせずに、リエマをたくさんの人に進めていただけると嬉しいです!
ーー「いい宣伝です。あ、区切りもいいですし前に出ていた作品のテーマについて教えていただけますか?お預けにされたやつ 笑」
R:12話の部分でだいぶお話してしまったのですが、ケイとリエ、マフィアと魔法少女、妖精と人間が交わって、苦労して、喧嘩して、お互い何に気づいたのか。二人とも、やっぱり自分が家族から必要とされている事を知ってゆくんだと思います。リエは、自分はお母さんに嫌われているわけではなくて、きちんと愛されている事に気がつきます。
M:加えて、家族の中での自分の役割に、ケイが12話を通して自ら気づいていく過程も描いています。戦闘では全く役に立たないからこそ、ケイは弱い人間に近しい存在として振る舞う事ができる。自分は人間の視点で考えられる唯一の妖精なのだ、と。
R:ファミリー達も、この二人の姿を見て、ケイの主張を聞いて、人間、捨てたもんじゃないな…って感じるんです。
M:まぁ、ここでは語り足りない設定もありますが……妖精の起源、世界の秩序を守る彼らは誰によって創られたのか?などはまだ明かされていませんね。作中でも「僕たちはなぜ生まれたのか…」と、アーサーが呟くシーンとかありますし。
ーー「時々意味深なシーンがありますよね。リエ達、ファミリーとはまた別に動いていた謎の少年も気になります」
R:なんか考察とかもネットでされてましたよね。
M:そうなの!?忙しくて全く見られてなかった。
ーー「ルーンさんはネットで反響を見るタイプですか?」
R:あんまり気にしすぎるのもいけないと思うのですが、やっぱり興味ありますよね〜。肯定的な意見も否定的な意見も両方取り入れたいです、今後のためにも。
M:せっかく製作の機会を頂けましたからね。
ーー「おっ?どういうことでしょうか!?」
R:もう言っていいんだよね?
M:せーのっ
R&M:この度、リエちゃんは魔法少女2(仮)の製作が決定しました〜!!
ーー「おー!!おめでとうございます!!」
M:まだ色々秘密なので今回はキービジュアルだけで勘弁して下さいね!
▲ 続編キービジュアル。リエが戦うことになる新たな敵たちが勢揃い。展開が気になる
ーー「あっ、さっきこちらが話した謎の少年君もいる。それに…新しいファミリーと…
魔法少女…?」
R:さっきお話していた妖精の起源や、1期では掘り下げられなかったファミリーたちの過去など、盛りだくさんの内容になる予定です!
M:可愛い奴もかっこいい奴も癖のある奴も出てきます。
R:個人的に、1期以上に好みを押し出したキャラデザをさせていただいたので、早くお見せしたいです。音楽関係はこれからなのですが、さらに魅力的なリエマの世界をお届けできるように頑張ります。
M:時間帯は毎週日曜朝9時から変更になるかもしれないので要チェックです!
ーー「これからも広がるリエマワールドに目が離せませんね。秘密結社ツーサムのお二人今日はありがとうございました!」
R:ありがとうございました〜。
M:ありがとうございました!